イールドカーブの逆転

2019年3月25日 | GORDON LAFORGE、ERIC FALCON

しかしパニックになる必要はない

現在市場経済を悲観的な見方が支配しているのには理由がある。先週米国政府は意外なことに今年金利の引き上げは行わないというハト派的な声明を出し、ヨーロッパ経済および製造業の弱体化のデータはユーロ圏の健全性について懸念を引き起こしている。そして今週金曜、2007年以来初めてイールドカーブが逆転した。これは米国の10年債の利回りが3年債の利回りを下回ったということである。これは投資家が短期的結果に懸念を抱いているということであり、過去にはカーブの逆転は不況の信頼できる予測因子として使用されている。

アナリストたちは、これが米国の不況を恐れる投資家の世界的な株式市場での反応を示しているものだと考えている。しかしPredataのシグナルによれば、これがイールドカーブ逆転に対する過剰反応であることを示唆している。 まず1つには米国の株式市場バブルに対するオンラインの懸念はほとんど変動しておらず、2019年も通常の範囲内に留まっていることが挙げられる。過去の株式市場下落に関連するページのトラフィックはS&Pが6週間で10%近く減少した2018年9月~10月の2分の1以下となっている。

その代り市場の懸念は住宅などの2020年までにFRB金利が引き下げられるリスクの高い分野に特に焦点が当てられている。これは米国政府のハト派の姿勢を考えると自然な反応だと言えよう。

米国経済の当面の健全性に対する懸念の範囲が狭まっているという事実は、中国の成長の停滞やユーロ圏の弱体化など、市場がヨーロッパやアジアでのリスクを懸念していることを意味している。このような状況は世界的な経済停滞を引き起こす恐れがある。例えば Predataのシグナルは、中国の金融リスクの特定の側面に対する懸念が2019年に特に活発になったことを示している。

しかし、このようなリスクが顕在化しない限り国際的な株式は最近の損失を十分に取り戻すことができると考えられる。