イラン政府の代理組織は動き出すのか?

2019年5月13日 | GORDON LAFORGE

中東における対立の可能性に沸き立つデジタル領域

米国がここ1ヶ月、イランに対する圧力を強めている。4月の終わりには、イランから石油を輸入している国に対する制裁の適応除外が打ち切られた。トランプ政権が去年離脱した核合意に対し、イラン政府がその一部の順守をやめると発表すると、米国はペルシャ湾に空母打撃軍とその他の軍用機器を送り込んだ。

緊張が高まる中、デジタル領域におけるアクティビティも活発になってきている。シグナルを見てみると、米国政府とイラン政府の直接的な対決ではなく、どちらかというと代理組織を通した間接的な紛争の可能性に対する関心が上昇しているのが分かる。アラブ首長国連邦のフジャイラ沖でサウジアラビアのタンカー2隻を含む計4隻の石油タンカーが未確認の攻撃を受けた件に関し、サウジアラビアおよびアラブ首長国連邦は攻撃元を特定していないが、米国の関係者たちはイラン政府の関与を疑っている。

中東におけるイランとサウジアラビアの勢力争いに関連したオンラインアクティビティを捕らえるPredataのシグナルは、ここ1年で最高のレベルにまで上昇した。このシグナルは、シリアやイエメンといった周辺国を巡る対立などによりサウジアラビアとイラン間の緊張が高まり、オンラインオブザーバーが懸念を見せた際に上昇する傾向にある。

それに加え、レバノンに拠点を置くイラン政府の代理武装組織ヒズボラに対するデジタル領域における興味も、異例の上昇ぶりを示している。シグナルは米国がイランに圧力をかけ始めてから徐々に上昇し、過去8年で最高のレベルにまで達した。

特に、ヒズボラの戦闘能力の様々な局面に関連したアラビア語のウェブページにおけるアクティビティは、5月に劇的な上昇を見せている。中東のオブザーバー、その中でもアラビア語を話すオブザーバーたちは、ヒズボラのアクティビティが活発化することを予想しているようだ。米国との対立においてイランが攻撃に出る場合、ヒズボラが政府の代理として駆り出される可能性は大いにある。