イランの戦略的な辞任

2019年3月4日 | GORDON LAFORGE

外相の動きにより、ロウハーニー大統領勢力が強硬派に対する影響力を強める

先週、長年イラン外務大臣としての役割を務めてきたモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ氏がInstagramで辞任を発表した。同氏はイランの核開発計画を抑制するための共同包括行動計画(JCPOA)の主たる支持者であり、欧州や米国とのより広範な関わりを続けてきたことから、常に強硬派のターゲットとなっていた。そして、先週の月曜テヘランで行われたロウハーニー大統領とシリア大統領バッシャール・アル=アサド大統領との会合から除外されたことが我慢の限界となったようだ。
複数の有力なイランの政治家はザリーフ外相に対し政府に残るよう促し、ロウハーニー大統領は辞任を拒否している。現在、この動きは改革派による強硬派に対するザリーフ外相の重要性を強調するための統合した戦術的なクーデターと考えられている。Predataのシグナルはペルシア語でのロウハーニー大統領とザリーフ外相に対するデジタルでの興味の増加を示しているが、同時に改革派の複数の有力人物の注目も高まっていることが分かる。

対照的に政府の強硬派に関連するオンライン活動は減少しており、ザリーフの辞任と撤回を経た後もそれは変わっていない。

また、ザリーフの動きはイランの核交渉に関する注目を再度集めるものとなっている。デジタルの分野で核交渉の注目が増加し、改革派がより影響力を持つようになっている事実は、ロウハーニー大統領とその勢力のJCPOAに対する存在感が強硬派よりも大きくなっていることを示唆するものである。