中国で企業債務が緊張状態を生み出す

2019年4月1日 | GORDON LAFORGE、JIM SHINN

海航集団を取り巻くデジタルの関心は懸念の高まりを反映?

中国の製造業の予想外の成長がデータとして発表され世界経済の低迷の懸念が和らいだことを受け、昨日の国際株式市場は飛躍を見せている。しかし同時にデジタル世界では世界経済の潜在的なリスクとなる、中国の企業債務に関連する不安の傾向が現れている。

先週、Predataのシグナルは中国の四大コングロマリットの一つである 海航集団へのデジタル関心を捉えている。これは発生する確率が低く予想外である「黒い白鳥」とは異なる、潜在的な「灰色のサイ」であると考えられているようだ。「灰色のサイ」は大きく簡単に目で確認でき、高速度で動いた場合経済に大打撃を与えることとなる。

海外買収の重荷に苦しんでいた海航集団は北京からの命令により持ち株を売却しており、海航集団最大の債権者である国家開発銀行はその資産を中核資産にまで削減することを計画。ロイター通信の報道によると、今年中に海航集団の清算に移行する可能性が示唆されている。

デジタル関心の急上昇は海航集団の香港エクスプレス航空のキャセイ航空への売却、そしてスイスのケータリング会社 Gate GroupのRRJ Capitalへの売却が引き金となっている。シグナルがこの水準まで高まったのは去年では2回のみであり、その1回目は海航集団委員会共同議長のフランスでの悲劇的な事故時、そして2回目は海航集団がマンハッタンの著名な高層ビルの売却を交渉していた時であった。航空会社の持ち株の売却はオンラインの多大な関心を引き寄せており、これは海航集団の売却のスピードとそれがもたらすリスクに関する周囲の不安な気持ちを反映しているのかもしれない。

さらに、同じく「灰色のサイ」である四大コングロマリットの残り三つである復星国際、安邦保険集団、万達グループへのデジタル関心はすべて低下している。全体的な傾向に反して海航集団が注目を集めているということは、状況が深刻化していることを示唆するものである。