実質を伴わない停戦

2018年12月04日 | GORDON LAFORGE著

中国語のウェブ閲覧パターンは、トランプ大統領と習主席の間で繰り広げられた貿易戦争の緊張緩和は長続きしないことを示唆している。

ドナルド・トランプ大統領と習近平主席がブエノスアイレスで開催されたG20サミットの片隅で面会し、貿易戦争のエスカレートに歯止めをかけることで合意すると、市場は安堵のため息をついた。しかしPredataのシグナルは、この一時的な停戦が実際の貿易協定につながることを疑わせる根拠を示している。

第一に、トランプ大統領の国家通商会議トップであるピーター・ナヴァロとロバート・ライトハイザー通商代表に関する中国語のオンラインの関心は急激に高まった。これらのシグナルは、貿易戦争が本格化して以来上昇しており、通商関係で困難な時期には急上昇する傾向がある。これら2人の通商代表者に対する関心の急上昇は、中国語のオンラインの観察者が、この停戦状態によって貿易戦争が食い止められることに対し懐疑的であることを示している。

第二に、トランプ・習会談について米国側は、中国が、中国の経済政策、知的財産の保護、強制的な技術移転といった異論の多い問題点について協議を行うことに同意したと述べている。しかし中国側は、そのような議題への言及はなかったと主張している。Predataのシグナルでは、中国語のオンラインでのこれらの問題点に関する注目度が高まらなかったことが示されている。これは、米国と中国の交渉者の話し合いがかみ合っておらず、交渉の初期的な枠組みについてさえ同意できていないことを示すさらなる兆候である。

貿易戦争緩和のニュースが伝わると株価指数は上昇した。しかし連邦準備銀行は、報復的なやりとりがエスカレートすると米国経済の成長を脅かすことになると警告している。この停戦状態が合意につながらない場合、市場の高揚感は長続きしないと予測すべきであろう。